『You And Music …』の最後のサビ「ありがとう〜」が気になっていた。歌詞自体はそれほど悪くないのに、何故この盛り上がりのフレーズにこのようなシンプルで在り来たりな言葉なのだろうと。何度も聴き返すうちに、ふとこの曲は倉木の不朽の名R&Bバラード『thankful』へのアンサーソングではないかという気がしてきた。同曲の最後のサビでもやはり「thankful〜」と歌われる。そして『thankful』では「涙(My heart is raining)でさよなら」を交わしたが、『You And Music …』では「涙よりも笑顔で…君のそばにいたいと思う…」のである。曲調、アレンジと倉木の歌い方も、R&Bで少し強がっている感がある『thankful』に対して、極めてオーソドックスで包み込むような優しさのある『You And Music …』。七色に変わる倉木の透明感ある歌声のみにひたすら耳を傾けて欲しい。ただ美しさだけが時間と空間を埋めて行くことと思う。”夢が咲く春”は、グルービーな曲でアレンジ(プログラミング)も最近にしては珍しく悪くはないし、出だしのベースも結構イケるが、残念ながら歌詞に見るべきものが全くない。曲中心で聴くなら、それなりに聴けるとは思うが…。