3ピースバンドTRICERATOPS(トライセラトップス)の全シングル/カップリング曲のほとんどを網羅したシングルコレクション2枚組。1枚はシングルタイトル曲から、2枚目はカップリング曲からの選曲となっている。それぞれの曲順はメンバーにより決められたとのこと。
個人的には「Going To The Moon」や「Fly Away」のような、前へ向かう決意や上を向こうとするポジティブサを宣言した曲が好きだが、むしろ和田唱のソングライティングの真骨頂は、日常のふとした情景や出来事からちょっとした恋心や嫉妬心、自身の揺らめきや彼女への想い・・・そういった大げさではない、些細だけれどとっても大切な情感を、細やかにすくい取って描いてみせるところにあるのではないかと思う。
巷に溢れているラブソングは大仰なものが多いように思うのだが、彼の描き出すセンシティブな感情は、聴く者にとって身近な共感を呼ぶ。
また一方、3ピースでありながらその制約をむしろ楽しむかのように、メロディアスかつビートの効いたサウンドもまた、他の凡百なバンドでは聴くことのできない、彼らならではの魅力。
今のヒットチャートにどこか満足できない、そんなあなたにオススメの1枚(いや2枚)!
ここ何作かリフ主体の3ピースバンドの印象を濃くしてきているが、初期の曲「Rapsberry」でわかる通り、元々リフを活かしたバンドだった。5作目「DARN WORLD」の頃、楽曲のアレンジの多彩さが逆にトライセラらしさをなくし、ファンとしても納得がいかなかったものだが、「LICKS AND ROCKS」以降のリフ主体の作風は、3ピースバンドの制限を逆手に取った自由さが感じられて、迷いがない。トライセラの良さは、曲を聴いていてギター、ベース、ドラムの演奏だけを聴いていても耳を預けられるし、飽きがこない事。そして、和田唱のメロディメーカーとしての才能。今まで聴いてきたシングルをこうして並べられると、改めて脱帽。