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カスタマーレビュー
※ カスタマーレビューは他のお客様により書かれたものです。ご購入の際はお客様ご自身の最終判断でご利用ください。
ツキとおたからと純粋 |
2008-07-09 |
絵柄と雰囲気から勝手に作者は女性だと思っていたのだが、あとがきの自画像を見ると
男性なのだろうか?それにしては繊細な絵柄と雰囲気が目立つ作品だなあ、と。
面白い。大まかなストーリーは「おたから」という骨董品のようなものを中心としていて、
その「おたから」には美的価値と共に物の気(妖怪のようなもの)が宿っている。
その物の気を悪用する輩を粛清したり、またおたからを使う人を「旗師」と呼ぶのだが
その旗師同士の対決があったり、あるいは伝説のおたからである「天原御物」を目的として探したりと
幅広い方向性によって描かれている物語であり、一概に「こういう話です!」と説明は出来ない感じである。
悪人は退治するが、勧善懲悪ってほど単純でもない。複雑な何かが渦巻いている作品だ。
しかし、読み手としては非常にスッキリと読めたのが印象的だった。
まず絵柄の良さもあると思うが、中性的かつ可愛らしい絵柄は見ているだけで和む感じであるし、
きちんと箸休めのシーンもこまめにいれてくれてるので安心して読める。(ツキとたけるの百合っぽいシーンはクスリと笑える)
あと世界観についても作中でこまめに説明してくれてるため独自の専門用語などで
こんがらがることもない。この説明についてはくどくならない程度に入れられてる感じ。
一言で表すと「丁寧」な作品。柔らかくキリッとした絵柄についても、
キャラの心情を多めにいれ、じっくりとひとつづつ展開するストーリー構成に関しても、
また全体的な雰囲気・空気感の良さからもとにかくそれを感じる。きちんとした良作、といった作品になってると思う。
あと何気に批評性もある作品だと思う。後半の話から天原御物を所有している、という財閥のオークションが開かれるのだが
そこに集まっている人々はおたからの中身などは気にせず社会的な価値だけで良し悪しを判断してしまう。
これは自分達の世界に置き換えても十分あてはまる。他人が作った価値基準だけで
アイテムを、作品を手にとってしまう安易さ。そこにその本人の意思は存在していない。
そんな浅はかで、芯のない思想に対してのアンチテーゼ的な意味合いも感じ取れた。
可愛い絵柄に、骨太な物語。まだこの1巻では助走、といった感じだが是非羽ばたいて欲しい。
ちなみにおまけページもかなり面白い。ってか、はじけすぎ。 |
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