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カスタマーレビュー
※ カスタマーレビューは他のお客様により書かれたものです。ご購入の際はお客様ご自身の最終判断でご利用ください。
1件あります。
はじける前に、しぼんだ思いでも |
2008-07-06 |
昼下がり、誰も来ない秘密の部屋で共に過ごすマコと吉井。
夜の一時、電話越しに通じる直とユウスケ。
毎晩毎晩、ビー玉橋で秘密と時間を分かち合う新名と八木。
三者三様の恋の物語は可愛く、そして少し切ない。
それはたとえばきゅんという言葉で言い表せるかもしれないけれど、
そこには甘酸っぱいときめきよりも尚色濃く、人を想うということの儚さがある。
膨らみ続けて弾ける前に萎んでしまった、その刹那の切ない想い。
夢から醒めて現実を知ってしまったその瞬間に、色を失う淡い恋心。
心に突き刺さる痛みではなく、少しばかり心の端っこを抓られる痛み。
些細だけれど、つんと感じるその痛みはきっと誰にでも体験ある痛みで。
ろびこの真骨頂は、しかし、そこからの描き方にあると思う。
思わず息を止めて見つめてしまうほどの真摯な表情を見せる少女達。
丁寧に重ねられてきたその淡い恋心は、鮮やかに映える前に色褪せて、
それは盛大に割れもせずに、端を欠いただけの硝子細工にも似た半端さで、
それでも彼女らの澄み切った想いはけして濁ることなく透明感に溢れたままで。
―そこから先、を。散った欠片を拾い上げて作品に紡いでいく作者の視線の優しさ。
甘やかされるばかりの主人公も、甘やかすだけの相手もいない、
少女と少年とその世界の現実はこの世界と地続きで、だからこそ人を想う切なさもすぐ隣に感じられる。
けして夢物語ではない世界を生きる彼ら彼女らの姿を、だからこそ愛しく想う。
(一番のお気に入りは『ビー玉の橋』。新名と八木が触れ合う場面が可愛くて仕方ない。
併録の『先輩の彼女』も佳作です。タカが宣言する時の格好よさといったらないのですよ) |
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